会長挨拶

第4回肝臓と糖尿病・代謝研究会 会長
中村 二郎
愛知医科大学医学部 内科学講座 糖尿病内科

 第4回肝臓と糖尿病・代謝研究会を2017年5月20日(土)、名古屋市の名古屋国際会議場において、第60回日本糖尿病学会年次学術集会にあわせて開催させていただきます。今回のメインテーマを、「旧くて新しい糖尿病と肝臓の仲」といたしました。
 糖尿病は、「インスリン作用の不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患であり、糖代謝のみならず脂質および蛋白質代謝の異常を含むほとんどすべての代謝系に異常を来す疾患である」と定義されています。このインスリン作用と各種栄養素の代謝の中心的役割を担う臓器が肝臓であることから、糖尿病の病態における肝臓の重要性は、旧くから認識されていました。また、日本糖尿病学会が過去4回に亘って10年毎に実施してきた「アンケート調査による日本人糖尿病の死因」の最新の成績では、死因の第1位である悪性新生物の中でも肺癌に次いで肝臓癌が2番目に頻度が高く、糖尿病患者で肝臓癌を死因とする頻度は日本人一般の2倍であり、肝硬変とあわせると糖尿病患者の死因の約10%が肝疾患となっています。さらに、肝硬変で死亡した糖尿病患者の平均死亡時年齢は、糖尿病患者全体に比して約6年低いという結果も得られています。糖尿病患者の生命予後を大きく左右するのが肝臓であり、糖尿病と肝臓との関わりが改めて注目されています。さらに、新たに登場した糖尿病治療薬であるインクレチン関連薬およびSGLT2阻害薬の作用機序および代謝面への臨床効果に対する肝臓の関与も大きな関心を集めています。
 こうした背景のもと、日本肝臓学会と日本糖尿病学会が共同して開催されるのが本研究会です。通常の学術集会においては、両学会を代表する研究者が同じ舞台で議論する機会も少ないと思われますが、2つのシンポジウムおよび一般演題47演題において活発な討議が期待されます。若手研究者による優秀演題6題に対して、Young Investigator Awardが授与されます。
第60回日本糖尿病学会年次学術集会での会場の分散を少なくすることを目的に、ポスター発表のメイン会場を名古屋国際会議場の地下駐車場に設営致しました。不都合な点もあるかと存じますが、ご容赦いただければ幸いです。また、名古屋国際会議場の中庭にキッチンカーをご用意いたしますので、「名古屋の味」も御堪能いただきたいと思います。
皆様にご満足いただける充実した研究会となるよう、準備を進めてまいりました。多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。
 末筆ではございますが、演題をご応募いただいた方々、演者・座長をお引き受けいただきました方々、多大なるご協力を賜りました各協賛企業の方々に心より御礼を申し上げます。